脊柱側弯症(そくわん症)と名医 柳沢療法研究所

側弯症(側湾症)と名医―所長:柳沢千秋

コラム

 世の中には名医と言われるお医者さんがいます。皆さんは名医というとどんな人物像を思い浮かべますか?手塚治虫の漫画に出てくるブラックジャックのように、どんな難病でも治してしまうような人物でしょうか。名医というとまず、彼のような職人的な技術を持つ外科医の先生というイメージが浮かびます。でも、現在の医療は臓器ごとに専門が細分化されているので、臓器ごとに専門医がいます。専門医とは、特定の病気の症例を多くこなしている先生で、その中でも、技量が職人の域に達しておられるか、あるいはその先生独自の術式を持っておられる方が名医と言えるのではないでしょうか。

 また、最近では医療技術の進歩で内視鏡やカテーテルを駆使して難病を治してしまう内科医の先生や、白内障の手術を数分でやってしまう眼科医の先生なども加わるでしょう。

 それでは、側弯症の名医とはどんな人物でしょうか。まず、手術が上手な整形外科のお医者さんというイメージが浮かびます。どんなに曲がった背骨も手術で真っ直ぐにしてしまうドクターです。整形外科で手術をするのは大きな病院ですから、専門医や名医も大学病院やそれに準ずる大病院に多くいらっしゃるのでしょう。

 

 ところで、私のところにいらっしゃる患者さんで、病院で手術を勧めれれたという方の多くが、湾曲を治すのではなく、単に固定するだけの手術だそうですとおっしゃるのです。大きな傷跡も残るし、リスクもあるのに、治るのではなく、単に現状を維持するだけの手術ではと、非常にためらわれ、わらにもすがる思いでいらっしゃいます。こんな話を多く耳にして、現在多くの病院で側弯症の手術がどのように行われているのかを知った次第です。単に固定するだけの手術では、いくら症例を重ねた専門医の先生であっても、名医とは言えないのではないでしょうか。

 以前、読売新聞の「医療ルネサンス」という連載記事に、脊柱側わん症の特集が掲載されたことがありました。ご覧になった方もあるかと思いますが、そこでは背骨の湾曲やねじれを改善する手術が紹介されていました。また、従来の手術では上半身の成長が止まってしまうのですが、成長を止めない新しい術式の紹介もありました。ですから、こうした湾曲やねじれを改善する手術をしてくれる先生、成長を止めない手術をしてくれる先生がいるはずで、そんな先生方が名医なのではないでしょうか。どうしても手術が必要になった方は、今おかかりの病院がどんな手術をするのかをよく確かめ、そこが単に固定する手術であったなら、少しでも改善する手術をしてくれる病院を探されることをお勧めします。

 

 それでは、私どものような民間医療の治療師はどうでしょうか。私どもは医者ではありませんから名医うんぬん言うことはおかしな話ですが、ここは便宜的に、特に腕のいい治療師のことも名医ということにさせていただいてお付き合い下さい。

 私たちは手術はしません。ですから何らかの方法で体の外から施術して曲がった骨を伸ばそうとするわけです。どんな重度の側湾でも治してしまう。触れるだけで背骨が真っ直ぐになる。そんな魔法のような治療に憧れます。

 そんなことができる名医はいるのでしょうか?私は知りませんし、残念ながら、側弯症に関してはそんなことは望めそうにありません。それでは、自分はどうなのかと言われそうですが、こと側弯症に関しては誰よりも改善させられるという自負はあります。ですが自分を名医と思うかというと、そう思ったことはありません。

 治療がうまくいって、患者さんや付添いの方が驚いて、「先生、ゴッドハンドですねえ」とか「魔法のようですねえ」などと褒めていただくことがあります。そんなときは「名医でしょう」と返します。そのあと「誰も言ってくれないから自分で言うんですが…」と茶化してしまいます。褒められればうれしいですが、それでのぼせ上がったり、天狗になったりするほど私は若くありませんし、何よりも側弯症という難病の治療の難しさを知っているからです。

 以前フジテレビで「ジェネラル・ルージュの凱旋」という医療ドラマが放映されました。夜の10時台からだったと思いますからご覧になった方もいらっしゃると思います。主人公はER(救命救急センター)の部長で、どんな症状の患者が運び込まれても受け入れ、部下に的確に指示をし、自らも心臓マッサージをしたりメスを握り、時にはカテーテルまで駆使して重体の患者を救命してしまいます。まさに名医、スーパードクターです。そんな主人公が、ある時こんなことを言います。「救えた患者のことはその時で忘れる。覚えているのは、救えなかった患者のことだけだ…」と。このセリフを聞いたとき、ああ、自分もそうだと思いました。私も、うまく治せた患者さん、改善させられた患者さんのことはなぜかあまり記憶に残りません。いつまでも覚えているのは、力及ばず治せなかった患者さん、改善させてあげられなかった患者さんのことばかりです。これらの患者さんのことが苦い記憶となっていて自分を名医だなどとはとても思えないのです。

 また、名医とは自分が思うものではなく、他人が評価するものだと思います。私はいつも自信満々で治療しているわけではありません。症例をどれだけこなしても、いつも気持ちは変わりません。

 初診の患者さんがいらっしゃるたびに緊張しますし、うまく改善してくれればいいが、と祈るような気持ちで接しています。

 

 私の愛読書に、さいとう・たかをの「ゴルゴ13」という劇画があります。その中で、どの章かは忘れましたが、依頼者がゴルゴに言います。「あなたのように一人で生き長らえる術を知りたいものです…単独で生き抜きつつ、世界から必要とされる…」 それに対しゴルゴはこう答えます。「俺はただ、依頼者が絶対的に求める技量と価値観を身につけるよう心がけているだけだ…」と。どうです?かっこいいでしょう。

 

 私も彼の言葉に習って、日々修練の毎日です。

患者さんの声

30代 主婦

 もともと側弯症があり、時々背中や腰の痛み、頭痛、手のしびれなど、いろいろな症状に悩まされるので、母と共に定期的に通って柳沢先生に治療してもらっています。

 ある時背中が急に痛くなったので近所のマッサージ院に飛び込んだのですが、良くなりませんでした。

 やっぱり「ゴッドハンド」のところに行かなくてはだめだって母と話しています。

患者の婚約者

 婚約者が側弯症で、治療に一緒に付き添いました。彼女はホームページの症例にあるように背骨がグニャグニャとまがっています。マッサージや整体に通ったけれど治らなかったといいます。

 先生は初めに私に触って確認して下さいと言われましたので、彼女の背骨をなぞってみました。知っている通りS字に曲がっているのが確認できました。心配でもあり、興味もあったので、先生にお願いして治療を間近で見せていただきました。
 治療は骨をボキボキするでもなく、手荒な感じもなく終わりました。また触ってみて下さいと言われて再度彼女の背骨をなぞりました。
 「あれ?治ってる・・・」
 不思議なことに、さっきはあれほどグニャグニャと曲がっていた背骨が真っ直ぐになっているように感じられたのです。 「治ったよ。」と彼女に声をかけました。狐につままれたような感じでした。思わず「先生、すごいですね!」と叫びました。

患者の母

 高校生の娘が今年の春に脊柱側弯症と診断され、その時が28度ということでした。その後半年近くの間に42度まで進行し、手術を勧められました。それからは手術に向かってレールに乗せられているように話が進み、怖くなりました。

 何とかほかに手立てはないものかとインターネットで調べ、柳沢療法研究所を訪ねました。始めに先生に、「娘さんの背中を触って確認してください」と言われ、先生といっしょに娘の背骨をなぞってみました。 レントゲンを見て知ってはいたのですが、改めて触ってみると特に腰のあたりが大きく曲がっているのが確認できました。 先生は、「治療後にまた触っていただきますので、今の状態を記憶しておいて下さい」とおっしゃり、治療に入られました。
 私はすぐそばで治療の様子を拝見していましたが、先生が何をしているのかよくわかりませんでした。でも、治療を受けている娘が特に痛がる様子もなく、とてもソフトな治療だという印象は受けました。

 治療は20分程だったでしょうか。先生がまた、「お母さん触ってみて下さい」とおっしゃったので娘の背中を触ってまた背骨をなぞってみました。すると、先ほどより背骨の曲がり方が大きく改善されているように感じられたのです。病院では治らないといわれたのに・・・驚いて声も出ないくらいでした。

客室乗務員

 2年前から腰痛がひどくなり半年前には脊柱側弯症と診断され、だんだん体がくの字に傾いてきてしまいました。
 会社の産業医の先生には側湾は治らないといわれましたが、とにかく腰痛がつらいのでいろいろな治療院に通って治療を受けました。でも、どれも決定打がなく、インターネットで柳沢先生のホームページを見つけて現在通院しています。
 おかげさまで、治らないといわれた側湾も改善し、腰痛もだいぶ楽になりました。
通っているスポーツジムのインストラクターには「お会いするたびに体が真っ直ぐになりますねぇ」と言われるし、たまに友達に会うと、「あら、ずいぶん真っ直ぐになったわね」と言われます。そんな時は「素晴らしい先生にめぐり会ったのよ」と答えています。

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